オートデスク社(Autodesk)は、テクノロジー業界で最も洞察力があり、デジタル化が進み、高く評価される財務チームを目指しています。その実現のため、市場進出における財務計画、財務・販売予測、販売報酬、製品ポートフォリオの最適化、人員・支出予測、ライセンス コンプライアンスをはじめとする複雑なプロセスをサポートするAnaplanモデルを導入しました。Anaplanが提供するクラウド ベースのプラットフォームは、従来の計画ツールの限界を覆します。そして、財務部門に魅力あふれる新たなキャリアパスを確立し、業界最高峰の財務チームを作るという、オートデスク社の「Future of Finance」への取り組みを支えます。
「私たちのビジョンは、テクノロジー業界で最も洞察力があり、革新的で、デジタル化が進み、高く評価される財務チームとなることです」
ヘイリ・ヘイ(Hayli Hay)氏, Anaplan予測・計画部門、シニア マネージャー
「進化は待つものではありません。自ら起こすものです」。 オートデスク社のこの力強い宣言は、同社のソフトウェア アプリケーションの設計および作成に反映されています。そして、これらのソフトウェア製品は数えきれないほどの業界でものづくりの方法に変革をもたらし、いたるところで新たな挑戦者たちを後押ししています。この開拓者精神は、オートデスク社内の財務部門にも根付いています。「私たちのビジョンは、テクノロジー業界で最も洞察力があり、革新的で、デジタル化が進み、高く評価される財務チームとなることです」。オートデスク社でAnaplan予測・計画部門のシニア マネージャーを務めるヘイリ・ヘイ氏はそう語ります。
リーダーが掲げる「つなげる、最適化する、自動化する」のスローガンの下、オートデスク社のAnaplan担当チームは、ビジネス パートナーとしての財務部門のより良い未来を目指します。同時に、財務部門のキャリアパスを構築するため、新たなテクノロジーを取り入れ、インサイトや財務レポートをリアルタイムで提供できる環境作りに取り組んでいます。2015年以来、オートデスク社は社内のさまざまな部門にAnaplanを活用してきました。市場進出における財務計画、財務計画および分析(FP&A)、財務管理、およびグローバルなレベニュー オペレーションがコネクテッド プランニング及び予測モデルへの取り組みを先導し、進化と改善を繰り返しながら次々と成果を上げています。
初期の成果の例には、オートデスク社の料金体系を永久ライセンスからサブスクリプション型へと移行する際に、販売計画ツールが活用されたことが挙げられます。数十億ドル規模の会社において、収益ベースの販売計画から、年間経常収益(ARR)や年間契約額(ACV)などの複数の基準をベースとした計画へと移行することは決して容易ではありません。さらに、ライセンス タイプや現地通貨、地域、製品ごとの違いなど、さまざまな側面を考慮に入れた上で販売を予測する必要があったために、そのプロセスはより複雑化しました。しかし、その成果は目覚ましいものでした。プロセス自体がより複雑なものであったにもかかわらず、Anaplanの活用によって予測にかかる処理時間が最大80 %削減されたのです。
これは、革新と変革を続けてきたオートデスク社の数年間におけるサクセス ストーリーのほんの一例に過ぎません。Anaplanとの連携、そして財務チーム全体の素晴らしい尽力に支えられ、オートデスク社はAnaplanの導入による成果を上げ続け、「Future of Finance」への道を着実に進んでいます。 2021年8月には、Spend Forecast Modelの発表に合わせてリソース計画プロセス全体をAnaplanに移行しました。部署を超えた複数のチームによる取り組みの結果、Spend Forecastは現在オートデスク社の中で最も規模が大きく、影響力のあるAnaplanモデルとなりました。このモデルは、Anaplanの新しいUXを採用し、最先端のHyperModel性能を活用することで包括的なツールを提供します。オートデスク社のワークフォース計画モデルを基に構築され、FP&A部門の70名以上のエンド ユーザー向けに、毎月の支出予測や承認プロセスを自動化するこのモデルは、これまで使用されてきた時代遅れのツールを排除し、スプレッドシートやEメールを土台とするワークフローで懸念される情報の露出を最小限に抑えます。(オートデスク社の「Future of Finance」に向けた取り組みに関する詳細は、 全文をダウンロードしてご覧ください。)
現状、そしてまだまだ見逃せない今後の進化
オートデスク社のAnaplan予測・計画チームは、ヘイ氏が「財務エンジニア」と呼び、財務と、財務プロセスを支えるテクノロジーの両方に精通しているメンバーによって構成されています。彼らは、市場進出における財務、FP&A、及び財務管理にまたがる4つのカテゴリーにおいて、18のAnaplanモデルと3つのデータハブを運用しています。
- 予測モデルは、現行の会計年度における収益関連のアクティビティに焦点を当てます。これらのソリューションはSalesforceから販売機会データを取得し、その結果を税金・財務管理部門やそのほかの部門のシステムに送信します。予測モデルは単一のツールではありません。オートデスク社は複数の製品サービスを有し、さまざまな販促方法を用いているため、チームはAnaplanのプラットフォーム内に複数の収益予測ツールをもち、個々の事業単位に合わせて調整されたツールを使用しています。
- 計画モデルは、2~5年の枠組みで企業全体の売上基準を設定するために使用されます。予測モデルと同様に、フォーキャストモデルも異なる事業分野に合わせて特定のロジックや方法を採用しますが、それらのデータを一箇所に集約して調整することで1つの計画にまとめ、企業全体で認識を共有できるようにします。
- ますます規模を拡大している ワークフォース及び支出予測モデルを活用することで、オートデスク社では会社全体の支出をAnaplanで把握できるようになります。これにより、SAP BPCの使用を停止し、大人数のユーザーがいる場合にも、スプレッドシートやEメールによるワークフローを最小限に抑えることが可能になります。
- サポート モデル は、Anaplan環境全体で共有されているデータ及びロジックを提供します。その中には割り当てツール、一元化された価格設定ツール、そして3つのデータ ハブが含まれ、そのうちの1つは、Anaplanと、SAP S/4HANAを含むそのアップストリーム及びダウンストリームの財務システムとの間で、ルーチン化された40以上のデータ統合を自動で行えます。
オートデスク社の予測・計画モデル
オートデスク社のグローバル レベニュー オペレーションでは、8つのAnaplanモデルを活用しながら、世界中のチームが販売ノルマの設定、製品ポートフォリオの構築、取引の評価、予測モデルの生成などを行っています。「Anaplanのおかげで、データをインサイトに変えるという約束を果たすことができています」と、データ サイエンス及びレベニュー アナリティクス部門でディレクターを務めるダミアン・オファリル(Damian O’Farrill)氏は言います。「Anaplanのネイティブ機能を活用し、機械学習によってそれらを強化することで、データ サイエンスを使用したより優れたカスタマー エクスペリエンスの提供が実現したのです」
主な成果は次の通りです。
- ディールデスク モデルである Enterprise Modeling Tool(EMT)は、エンタープライズ ライセンス契約(ELA)の価格や条件を設定します。2018年に初めて導入されたEMTは、価格、割引、収益認識ルール、及びそのほかの要素を組み込み、オートデスク社に利益をもたらしながら顧客にとっても魅力的な契約内容を提案します。
- 報酬モデル は、販売リーダーが販売ノルマを世界各地のチームに分担し、整理する上で役立ちます。従来の請求書データを基に、財務チームと連携することで実現したモデルです。
- Sales Portfolio Optimizer は、Anaplan Optimizerを活用し、ELAを利用していない――多くの場合、中型案件かつ地域顧客アカウントの――何万人もの顧客に対してオートデスク社の販売チームが優れたサービスを提供できるようにするソリューションです。比較的新しいモデルであるにもかかわらず、すでに生産性の向上に大きく貢献しています。たとえば、以前の製品ポートフォリオ管理プロセスは、Pythonを使用してカスタム設計されていたために手動処理が必要で時間のかかるものでした。「Anaplan Optimizerのおかげで、毎年の市場進出戦略の変更が簡単に行えるようになりました」とオファリル氏は言います。「複数のデータ サイエンスの情報を統合することでより多くの情報処理が可能になり、さらに迅速かつスケーラブルなプロセスが実現しました」。 今では、Anaplanがオートデスク社のデータ レイクと連携しているため、データ処理がこれまでになく強力かつリアルタイムなものとなり、何百万もの顧客データを1週間で処理できます。
オートデスク社のグローバル レベニュー オペレーション モデル
オートデスク社のAnaplanモデルは進化と拡大を続けています。そのため、ここで紹介した利用事例や上記のハチの巣型のモデルは一時的なものです。(オートデスク社が変化に適応可能なAnaplanソリューションを作成した方法について、詳細は 全文をダウンロードしてご覧ください。) この継続的な改善をサポートしているのは、Anaplanセンター オブ エクセレンス(CoE)及びMaster Anaplannerたちです。彼らは、すべてのモデルが同様のユーザー エクスペリエンスを提供していることや、全体的な環境がビジネス プロセスへの適応、職場の効率化、そして情報に基づく意思決定を推進していることを確認し、モデル全体を管理します。
そのスマートかつ戦略的なオペレーションが認められ、オートデスク社はAnaplanの専門性で業界を牽引する存在となりました。Anaplanのウェビナーで何度もプレゼンターを務め、Anaplan新製品の先行アクセス プログラムにも積極的に参加しています。
優れたアジリティで非常事態にも対応
チームのビジョンと集中的な取り組みは、複雑な状況も難なく乗り越えられるアジャイルかつ強力なAnaplanモデルを生み出しました。丁寧に設計されたこのモデルは、財務部門や販売部門における大規模なプロセスの変更にも容易に対応します。「Anaplanモデルを導入した結果、複数のリスト内のマスター データへの簡単な変更と、ソース システム統合のクエリの変更だけで、まったく新しい報酬戦略を人員モデルに組み込めました」とヘイ氏は振り返ります。
Anaplanモデルのアジリティの高さを示すもう1つの例は、おそらく多くの企業が経験したように、世界的なパンデミック下での事例です。2020年の始め、年間計画が完成したわずか数週間後に、オートデスク社は大きな戦略の変更を迫られました。新型コロナウイルスのビジネスへの影響はしばらく続くだろうという見通しが明確になり始めた時、シナリオ プランナーたちはAnaplanモデルを活用することで、予測を調整して年間計画を完成できました。「コロナ禍という新しい環境においても、単に新しい天気予報を見るかのように対応できました。おおげさな避難訓練のような混乱はありませんでした」と、財務部門のシニアディレクターであるマット・チャップマン(Matt Chapman)氏は振り返ります。「ビジネス活動を大きく妨害することなく財務計画を作り直すことができたのはAnaplanのおかげです。とても助かりました」
ヘイ氏は、財務チームがアジャイルに変化に対応するための環境づくりや、さらには問題が起こる前にそれらを予測し、対処するという点においてもAnaplanが役立っていると感じています。「私たちの目標は、社員たちが感じる無駄な心配や不安、疑問を軽減させることです。なぜならすでにソリューションを持っているからです」とヘイ氏は言います。「Anaplanがあればその実現が可能です」
アジリティの向上はメリットの一部に過ぎません。多面的なAnaplanモデルは、拡大を続けるオートデスク社の事業規模や、それに伴う複雑化にも対応し、その近代的かつ安全なアーキテクチャはビジネス 社ユーザーのニーズを満たすだけでなくITチームにも好評です。過去のデータや外部のデータセットにも統計アルゴリズムを適用でき、人工知能(AI)や機械学習(ML)への取り組みに対するサポートも充実しているため、タイムリーかつ正確な、信頼できる予測が可能になります。これは、オートデスク社の計画の土台となるデータがより詳細で精度の高いものであることも意味しています。そこから導かれる結果には余計な情報がほとんど含まれず、信頼できるデータが完成します。これにより、意思決定者は有意義な仕事に集中できるようになるのです。「Anaplanのおかげで、社員たちは数字を議論するのではなく、情報に基づき、ビジネスや顧客のニーズに関して意見を交わせます」とチャップマン氏は言います。
ここから、オートデスク社の社員や顧客がより満足できる環境が生まれ、結果的にビジネスの成長につながります。ヘイ氏が言うように、「Anaplanを活用し、関連性がない仕事や手作業のタスク、繰り返しの作業を自動化することで、社員たちはより高い価値や意味のある仕事に集中できます。これが社員の満足度向上や離職率の低下につながり、最終的にはオートデスク社の創造性やイノベーションが高まっていくのです」

