デンカ、統合型事業計画を実現

化学品会社のデンカ、需要計画、在庫計画、生産計画、及び損益シミュレーションを統合し、同社のグローバル サプライチェーンを同期化

東京に本社を置く世界的な化学品会社であるデンカ株式会社は、サプライチェーン全体の計画プロセスの可視化と同期化を目指しました。Anaplan プラットフォームを基盤とした新しいソリューションによって、需要計画、在庫計画、生産計画、及び損益 (P&L) シミュレーションが統合されました。その結果、デンカは、複数拠点間で優れた連携を実現し、意思決定の俊敏性を高め、会社全体の収益性を向上させることができました。

今でも、あるいはこれからもずっと、Anaplan は弊社に改善をもたらしてくれます。
徳本和家氏, マネージング ディレクター

迅速化

サプライチェーン全体を統合し、再計算を即時実行することで、ビジネスの意思決定を迅速化。

自動化

自動的に生成される製品および製品グレードの差異分析を含む詳細なレポートで、差異要因を特定。

改善

計画業務で共通のデータ ソースを使用することで、複数のオペレーション拠点や部門間で連携を実現。


Deloitte 社とパートナーシップを結び Anaplan を導入することで、デンカがどのように統合型事業計画を実現したかをご紹介します。

みなさん、こんちには。この動画では、デンカのセラヤ工場における統合型事業計画プロジェクトについてご紹介します。

デンカの最終的な目標は、最新のデジタル技術を活用することによって、人的な介入を最小限に抑えた自立型のサプライチェーン ネットワークを確立することです。それは、次のような手順で達成することができます。

(1) サプライチェーン全体の可視化

(2) パートナーとの連携

(3) 輸送ネットワーク及び在庫の最適化

(4) AI を使った将来的なイベントの予測

そして最終的に、人間の介入なしに自律的な意思決定を行う、自動化されたオペレーション推進メカニズムを確立します。

最初のステップとしてデンカは、サプライチェーンのインサイトを得るために、計画業務に焦点をあてました。そこで、計画と実践の同期化が必要であることに気が付きました。より良い戦略的意思決定を行うために、需要と供給をリアルタイムで調整し、サプライチェーン全体を可視化する必要がありました。

では、計画と実践を同期化するには何が必要でしょうか。
デンカは、次の四つの領域で構成される統合型事業計画プロセスを導入することに決めました。

(1) 各顧客にどの程度の需要が存在するのかを明確にするための需要計画

(2) どの製品やグレードの在庫を用意すべきかを判断するための在庫計画

(3) 何を、どの順番で生産すべきかを決定するための生産計画

(4) 計画に変更が発生した場合の利益への影響を把握するための損益シミュレーション

そこでデンカは、リアルタイムのクラウド プランニング プラットフォームである Anaplan を選択しました。Anaplan は、柔軟性と安全性を兼ね備えたコネクテッド プランニング ツールです。このツールは、私たちのプロジェクトに役立つ次の三つの主な機能を備えています。

(1) どこからでもアクセス可能: クラウド ベースのツールであるため、どこからでも、どのデバイスからでもアクセスでき、ビジネスにおける意思決定を加速します。新型コロナウイルスのような緊急事態下でも、自宅から作業を行うことができます。

(2) 連携型の計画業務: Anaplan 内の計画データはすべて連動しています。たとえば、営業担当者が需要計画を変更すると、需要を満たす新しい生産計画がシステムによって自動的に提案されます。その後、システムは必要な原材料の量を計算し、在庫の推移をリアルタイムでチェックします。これにより、私たちはバケツリレー方式で計画を立てるのではなく、連携型の計画業務を行うことができ、計画業務全体の作業時間を短縮できます。

(3) 複数シナリオの計画業務: Anaplan を介して連携する需要計画、生産計画、及び在庫計画によって、計画担当者は損益への影響を正確に確認できます。これらの情報を使用して利益を最大化するシナリオを採用し、データを細分化して顧客ごとの収益性分析に活用できます。

デンカは、すでに Anaplan による成果を実感しています。

(1) 計画業務全体の可視化: サプライチェーンに関するすべての計画が統合され、再計算を即時実行することで、ビジネスの意思決定を加速化しています。需要から調達まで、サプライチェーン全体を俯瞰した視点を持つことで、総体的かつ最適な意思決定を行えます。

(2) マインドセットの変化: 部門間の垣根が取り除かれたことで、各計画担当者は自身の業務が他部門にどのような影響を与えるかを理解し始めています。この新しい視点により、計画担当者はより効果的に他部門と連携して、全体的な問題の解決に取り組むようになりました。

(3) ルーティーン業務からの解放: 計画担当者は、さまざまなソースからの手動によるデータ収集作業から解放されました。すべてのデータが Anaplan にあるからです。これにより計画担当者は、付加価値の低いタスクに時間をかけることなく、より分析的で戦略的な業務に時間を割き注力できるようになりました。

(4) 迅速な差異分析: 計画精度の分析は、もはや複雑な作業ではありません。自動的に生成されるレポートを活用して、製品やグレード レベルまで、詳細な差異分析を行うことができます。差異要因の特定は、これまでにないほど迅速に行えます。

ここで、デンカのスタッフのインタビュー動画をお見せしながら、彼らが実感している効果を紹介したいと思います。

テキスト: 「Anaplan を業務に導入したことで、どのようなメリットがありましたか?」

マネージング ディレクター、徳本和家氏 (日本語音声): 工場、営業、経理、エンジニアリング、全担当者が、よく話し合ってシステムの要求を決めた、ということから始まりまして、この Anaplan の設計段階でですね、各部門のデータ解析、真にやるべきこと、何ができなかったのか、やりたいけどできなかったのか、ということを明らかにしたわけですね。

これによって、業務分析ができたわけです。で、この業務分析を、Anaplan の関係部分ではなく、全業務においてですね、総点検することが大事であるということが、今わかりました。

これはやはり、Anaplan のおかげだというふうに思っています。このように、Anaplan はですね、我々に Anaplan というアプリケーション、システムを与えたということだけではなく、我々に気づきをもたらしたということか、というふうに考えられます。つまり、Anaplan は優秀なインストラクターであり先生でもあった、ということだったと思います。

そして何よりも大きかったことは、各自、特に若い人たちの能力、やる気、あと今までのやり方にとらわれない考え方、これを引き出してくれたのが、この Anaplan のプロジェクトだったり―それは今でも、あるいはこれからもずっと、改善をもたらしてくれるのではないかな、というふうに考えています。

営業リーダー、Yuki Shintani 氏 (日本語音声): いわゆる計画系業務のリアルタイム系の構造、ということなんですが、
我々はメーカーですので、原料を購買して、製造部門で製造して、それを船で、基本的に海外のお客様に販売している、ということをやってるんですけれども、

今までそれらの業務というのは、各部署ごとに、各担当者が Excel ファイルを作ってですね、そこにデータをマニュアルで加工したりしながら、出来上がったデータというのを、電話とかメールでみんなでやり取りして、いわゆるバケツリレー式に業務をやっていたんですが、

Anaplan 導入後はですね、このへんの計画業務、いわゆる Excel ファイルでやっていた仕事というのが、Anaplan 上に全部入っていく、というふうになりましたので、さっき徳本からもありましたけれども、それらを同時にみんながリアルタイムで見ることができると。

販売見込みがちょっと増えたら、それを製造さん、あと原料購買部門に自動的に連絡できる、というような仕組みづくりというのが今はできる、というふうに考えています。

グループ サプライチェーン部門ゼネラル マネージャー、Cindy Lee 氏: Anaplan は、すべての部門が協力して業務を行うことができる単一のプラットフォームです。Anaplan は私たちにとって唯一の情報源で、需要と供給に変化が起きた場合、情報がシステム上で更新されるため、私たちはすばやく材料を顧客に届けることができます。

このソリューションで、コミュニケーションも合理化できました。なぜなら、会議や電話で対応する場合、コミュニケーションは曖昧なものになることがあるからです。

単一のデータベースは、この問題の解決に役立ちます。今では、すべての関係者が最新の情報にアクセスし、需要と供給の変化に対応できます。特に現在のような混乱した市場において、これは重要な要素です。

工場内ロジスティクス責任者、Hui Peng Leang 氏: 我々は Anaplan を、自宅を含めどこからでも使うことができます。
Anaplan はアプリなので、スマートフォンにダウンロードして現場で使うこともできます。私は MMP をチェックする業務を担当していますが、MMP が低下した場合、私はすぐに営業部門にそれを伝えることができます。これはとても便利な機能です。

我々の営業拠点のほとんどは中国やヨーロッパにあります。すべての営業担当者とコミュニケーションをとり、協力して業務を行いながら、コスト削減と目標達成を目指しています。

 

Man wearing a hard hat in a factory
Two coworkers at a construction site