世界的なインフラストラクチャ エクイティ ファンドの経営陣は、ある課題に直面していました。 それは、資産マネージャーに数十の資産にわたる業績のレポート機能を提供することを目的とした、一貫性の高いフレームワークをどのように構築すればよいか、というものでした。この企業は、多数の資産ベースにわたる財務および非財務データの単一かつ共通のデータ ソースとして Anaplan を採用しました。 これにより、一貫したレポート作成と規模の経済によるコスト削減を実現しました。 同社は、Anaplan のソリューションが、将来、より高い価値を生む可能性を秘めていると感じています。
すべてのデータが Anaplan に格納されているため、我々はサプライヤーとの価格交渉をできるようになりました。
- オペレーション ディレクター
インフラストラクチャは世界でも非常に成長率の高い資産分野で、インフラストラクチャ プロジェクトの投資と運用において、プライベート エクイティ ファンドが果たす役割の重要性が増しています。高い競争力を求められるこのビジネスでは、資産パフォーマンスを評価し規模の経済を推進する企業の能力が、収益に大きな影響を与えます。そのため、正確でアクセス性の高い資産に関するデータを確保することが必要です。
ある世界的なインフラストラクチャ エクイティ ファンドは、データの課題を解決するためのより良いソリューションを探していました。この企業は、プライベート エクイティ ファンド向けの特殊な情報システムで検証済のデータを管理していました。レポートを生成するため、資産マネージャーは、このシステムからデータをダウンロードし、スプレッドシートにそのデータを取り込み、さらにデータを再検証してから上司に送信していました。
この企業がより良いソリューションを求める理由は二つありました。
一つ目は、従来のソリューションを構築した会社は、ソフトウェア プロバイダーからプライベート エクイティ情報プロバイダーに転向し、提供していたソリューションの開発を中止したことでした。
二つ目は、資産マネージャーが行っていたスプレッドシート ベースのプロセスでは、資産を同一条件で比較するための信頼性の高いデータを作成できないということでした。
「我々には信頼のおける一元化された情報がありませんでした。資産のパフォーマンスを確認する際は、資産マネージャーを呼び出さなければなりませんでした」と同社のオペレーション ディレクターは述べています。
システムの置き換えを超えた変革を実現
このインフラストラクチャ エクイティ ファンドが望んだのは、単純なシステムの置き換えではなく、レポート作成プロセスの変革でした。同社はコンサルティング会社である Lionpoint 社に要件を評価してもらったところ、Anaplan を勧められました。
「Lionpoint 社が提示した Anaplan の技術的な専門知識と顧客事例はとても優れたものでした。Lionpoint 社の対応は丁寧なもので、我々を長期間にわたりサポートしてくれると確信するに足る規模を有していました」と同氏は当時について語ります。
同社はまず、15 名の資産マネージャーによって管理されている、合計 200 億ドルの価値を持つある地域の 20 のプロパティを確認することからはじめました (同社は全世界で 50 のプロパティを所有)。資産データは従来使用されていたソリューションから Anaplan に取り込まれ、データの検証が行われました。
その後、現場のプロパティ マネージャーが使い慣れたスプレッドシートを使用して毎月の更新を行えるようなインターフェースが構築されました。これらのスプレッドシートは、資産マネージャーによって Anaplan に自動的に読み込まれ検証されたものです。
初期段階のレポート用データは、これまで経営陣に使用されてきたような PDF 形式で Anaplan からエクスポートされますが、これまでと違うのは、同じ計算がすべてのプロパティで行われるということです。
これらの静的なレポートを基に、財務チームは Anaplan データと Power BI を連動させて、表形式のライブ レポートを作成できるようになりました。
「世界的なパンデミックによって、このクライアントが直面していた課題は、より深刻なものになっていました。Lionpoint 社では、データとレポート作成の問題をすばやく特定し、固有の資産データを強力な管理レポート作成プラットフォームとして集約する Anaplan ソリューションを構築しました」と Lionpoint 社の創業者である Nick Moore 氏は当時を語ります。
Anaplan をベースとしたレポート作成および管理ソリューションは、ユーザーからの称賛を得ました。
「競合他社から転職してきたある資産マネージャーが、Anaplan を使った我々のレポート作成は非常に優れていると言いました。その競合他社は我々よりも大きな企業で、かなり先を進んでいると考えていたため、これには驚きました」とオペレーション ディレクターは述べています現在、従来のソリューションの使用は停止され、同社は Anaplan に信頼を置いています。また、同氏は部下の資産マネージャーたちに次のように話していると述べています。
「Anaplan にデータを入力しない限り、四半期レポートには反映されない」と。
継続的な成長、継続的な改善
より一貫したレポートの作成に加えて、同社はすべての資産のデータを単一のシステムに格納することで、企業規模を財務的なアドバンテージとして活用できるようになりました。
「家具からコンサルティング サービスに至るまで、複数の場所で必要な品目がある場合、我々の購買力は非常に強力なものになりました。すべてのデータが Anaplan に格納されているため、我々はサプライヤーとの価格交渉をできるようになりました」とオペレーション ディレクターは述べています。
Anaplan は、このインフラストラクチャ エクイティ ファンドの親会社の別の事業部でも使用されており、プラットフォームは財務レポート以外の用途にも使用されるようになるとオペレーション ディレクターは考えています。
たとえば、この会社は Anaplan をワークフォース データの収集に使用し、有能なリーダーの特定、優れた業績を収めている組織を識別することによる効果的な組織の構築、多様性、公平性、包括性 (DEI) のより高度な目標の達成に役立てています。
また同社は、エネルギー消費を管理し、変化する規制に対応して、投資家からの質問や懸念に答えるために、環境、社会、ガバナンス (ESG) データを Anaplan に取り込み始めています。Anaplan が持つ世界レベルのプラットフォーム セキュリティは、このような機密データを取り扱う上で非常に重要であると考えています。
膨大なデータを Anaplan に格納することで、同社は、長い期間にわたってパフォーマンスを評価して、ポートフォリオ内の業績の低い資産を特定、処理し、KPI を達成しているチームに報酬を与えることができるようになりました。ソリューションの価値は時間の経過とともに増加すると、オペレーション ディレクターは考えています。同氏は最後にこう述べました。
「より多くの履歴データが Anaplan に格納されることで、我々はより多くのことを改善できるようになるでしょう」

