ホルシム社、オーストラリア及びニュージーランドで、アカウンタビリティと業績の向上を推進

建設資材のサプライヤーは、計画・予測プロセスを変革することで年間に何百時間もの時間を節約し、新たなビジネス インサイトを獲得しています

ホルシム社(Holcim)は、オーストラリア及びニュージーランドにて自社の建設資材事業を拡大させていくなか、財務計画プロセスから適切なデータと明確なインサイトを獲得する必要があると感じていました。そこで同社は、複雑な財務レポート作成プロセスをスムーズに遂行するためにAnaplanのソリューションを導入し、それ以降、変わらずAnaplanを活用し続けています。現在では、Anaplanを使って、財務計画、予測、および統合業務を1カ所からコントロールし、これにより効率性と透明性、そしてアカウンタビリティを向上させています。

Anaplanのおかげで、ビジネス全体の業績を評価し、アカウンタビリティを改善することがとても簡単になりました。
フィル・ウォーレス(Phil Wallace), 最高財務責任者

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時間削減できた年間の財務計画策定時間。この時間を価値のある仕事に充当

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時間削減できた企業予測の策定時間。これにより意思決定者の迅速な行動を後押する


多くの企業が、住宅やアパート、病院、学校、道路をはじめとするさまざまなプロジェクトに、ホルシム社(オーストラリア及びニュージーランド)の建設資材を使用しています。 同社が運営するビジネス ユニットは、大きく、骨材(石など)、レディーミックス コンクリート、セメント デリバリー、及びプレキャスト コンクリート製品の4つに分かれます。利益につながる運営を円滑に続けていく上で、ホルシム社はパフォーマンスに関する迅速かつ正確なインサイトを頼りにしています。そうしたインサイトは各ビジネス ユニットのマネージャーから発信されます。マネージャーは定期的に財務フォーキャストを更新して提出しています。

 

何年もの間、利払い・税引前利益(EBIT)の予測や、そのほかの重要な財務指標に関するレポートは、スプレッドシートを利用して作成されていました。このプロセスには人手が必要な上、ミスが発生する可能性もあり、データを利用する側からその正確性や有効性に疑問が呈されることも少なくありませんでした。「そのため非常に優秀な人材なのに、データの完全性を心配して、肝心の業績や結果に集中できないという事態も起こっていました」と、ホルシム社で最高財務責任者を務めるフィル・ウォーレス氏は振り返ります。

 

全社のプロセスを一新させる

ホルシム社が初めてAnaplanのソリューションを導入したのは2018年。損益(P&L)予測プロセスの合理化を目的とした導入でした。これによりもたらされた事業的価値に感銘を受けた同社は、Anaplanの導入範囲を拡大し、EBIT予測やグループ レベルでの財務計画プロセスといった主要な要素の標準化および自動化を進めました。

 

Anaplanは現在、同社が使用するCRMシステムのSalesforceや、Qlik Senseの分析プラットフォーム、さらには取引データ、予算、および予測の主要なデータ ソースであるSAP ERPシステムと密接に統合されています。ホルシム社では、月ごと、及び四半期ごとの財務業績の追跡に加え、年間および5年間の予算作成プロセスにもシナリオ ベースのAnaplanモデルを活用しています。

 

さらに同社では、オーストラリアとニュージーランドの連結財務情報をリアルタイムで把握するため、Anaplanの中に単一のダッシュボードを作成し、役員たちが、個々のビジネス ユニットとジョイント ベンチャーの両方について業績や結果を確認できる環境を整えました。「Anaplanは今や全社のプラットフォームです」と、コマーシャル ファイナンス及びデータ分析部門のマネージャーを務めるアネット・ダル・プラ(Annette Dal Pra)氏は指摘します。「今では、前年の実績、以前の予測、グループの予算、地域ごとのストレッチ目標などとの比較を1つのダッシュボードで行えます」。 ウォーターフォール チャートと合わせてこれらの比較データを確認することで、ダル・プラ氏のチームやホルシム社の各ビジネス ユニットのマネージャーは、すべてのビジネ スユニットについて、ビジネス ドライバーの変更による影響を視覚的に把握できます。これにより、ビジネス ユニットのマネージャー及び財務計画担当者は、各ユニットの業績をより詳細に分析し、会社の成長を加速させるために行動が必要な分野を特定できるようになりました。

 

計画を統合して会社全体のインサイトを獲得

ホルシム社は、たとえば高速道路の建設プロジェクトにおいて、基礎部分には骨材、道路そのものには現場打ちコンクリート、トンネルにはプレキャスト コンクリート ライニングを使用する場合など、複数のビジネス ユニットが関わるような大きなプロジェクトでは、ワンストップ ショップの役割を果たし、顧客をサポートしています。このような大規模なプロジェクトには複数のビジネス ユニットが関与しますが、以前は各ユニットが旧型のソリューションを使って独自に財務レポートを作成していたために、このようなプロジェクトの財務的な成果を追跡することが困難でした。「大規模なプロジェクトによる全体的な損益を視覚的に把握できませんでした。なぜなら、プロジェクトの損益は基本的に、それぞれのビジネス ユニットの全体的な業績の中に紛れてしまっていたからです」と ダル・プラ氏は指摘します。

 

しかし、ホルシム社は、Anaplanを活用して組織全体に単一のモデルを導入し、各ビジネスユニットのデータを統合することで、この課題を解決しました。「Anaplanを活用して、大規模なプロジェクト用の業績モデルを作成しました。これにより、プロジェクトに関する損益データを明確に把握することが初めて可能になりました」とダル・プラ氏は言います。「新たなインサイトを獲得できるだけでなく、今後の契約時に重要な基準となるデータも得られるようになりました」

 

透明性という企業文化を醸成

Anaplanを活用して、財務計画の策定活動と連結業務をシンプルかつ合理的なものにし、自動化したことで、ホルシム社の財務チームは作業時間を年間で240時間も削減することに成功しました。同様に、企業予測もこれまでにないスピード感で完了できるようになり、さらに年間72時間の削減が実現しました。

 

さらに同社は、スプレッドシートのデータを開示し、社員がAnaplanのプラットフォームを使ってデータを閲覧できるようにしました。「財務チームが数字をまとめて用意しなくても、社員が自分で業績を確認したり、評価したりできる環境を整えました」とダル・プラ氏は言います。「損益評価を担うマネージャーはいつでもシステムにアクセスし、目標の達成度合いを確認できます。これにより、彼らは自身で予測を更新したり、過去の予測や目標との間にギャップのあるビジネス ドライバーを把握したりできるようになるはずです」

 

Anaplanによって実現したデータ インテグリティの向上とインサイトの獲得は、ホルシム社のゲームチェンジャーです。CFOのウォーレス氏は「以前は、社員が状況を明確に把握することも、重要な財務データにアクセスすることも困難でした」と振り返ります。「しかし今では、役員が予測を確認する際にも、すべての関連データを一緒にこれを実施できます。Anaplanのおかげで、ビジネス全体の業績を評価し、アカウンタビリティを改善することがとても簡単になりました」

 

こうした改善のすべてがホルシム社の企業文化のシフトにつながり、ビジネスにおける財務計画の役割も再定義されました。「Anaplanを通じて得られたこれまでの成果から、このソシューションの導入が正しかったことを実感し、そこから提供される数字にも自信を持てています」とダル・プラ氏は結論付けています。「Anaplanのおかげで、ホルシム社は、透明性、エンパワーメント、アカウンタビリティという確固たる企業文化を醸成できました。結果的に、財務チームは事業の良きパートナーになれました」