財務の俊敏性と適応力を高め、アフリカ市場の変化に対応した Jumia 社

アフリカに住む 13 億人の人々のニーズは、日々拡大し、変化しています。e コマース マーケットプレイスを運営する Jumia 社はこのニーズに応えるため、定期的に変化するビジネス情勢に対応しなければなりません。Jumia 社の成功には、俊敏性と財務面での適応力が不可欠ですが、当然、簡単に手にすることができるものではありませんでした。

創業当初、Jumia 社の財務チームは財務報告書の作成に 20 ～ 25 日を費やしており、計画業務は困難な課題でした。「国ごとに予算編成やフォーキャスト、ベンチマーク作成を行うときは、いつも一から始める必要がありました」と Jumia 社の FP&A (ファイナンシャル プランニング及びアナリシス) 責任者である Rodolphe Mollet 氏は回想しています。

このような課題に対処するために、2020 年 1 月後半、Jumia 社は Anaplan を導入しました。当初の目的は、影響要因ベースの予算編成でしたが、やがてフォーキャストにも活用するようになり、最終的には管理報告書や法定報告書 (損益計算書と貸借対照表) の作成へと用途が広がっていきました。Sonum International 社のサポートのもと 12 週間かけて導入を進め、12 ヶ国以上の財務担当が連携してフォーキャストと予算編成を実施できるようにしました。外国為替のシナリオのモデリングに対応するためにカスタム ダッシュボードを作成し、管理報告書と法定報告書を同一の構造を活用して設計しました。

その結果、フード デリバリーから決済サービスまで、ビジネス プロセスも財務計算も異なる数十種類のカテゴリが、一つのプラットフォームで共存できるようになり、数値をまとめて会社全体の財務状況を確認できるようになりました。Sonum International 社の Maud Vermeulen 氏によると、プロジェクトは複雑だったものの、共同開発のアプローチによって成功したとのことです。「まるでパズルのような連携作業でした。共同開発のアプローチを取ったことで知識を双方向に伝達できたため、Jumia 社のビジネスをサポートするために、そして Anaplan によって Jumia 社のセルフサービス化を進めるために、何が必要なのかを確実に把握できました」と Vermeulen 氏は述べています。

Anaplan の活用によって、Jumia 社では法定報告書の作成に要する時間が 1 週間未満に短縮されました。これは 80% 以上の時間の短縮に相当します。「決算後、わずか数日で状況を把握して対策を講じられることは、非常に重要です」と Mollet 氏は述べています。ドリルダウン機能で各国の収益性の情勢を確認することで、問題と対策を簡単に特定できます。「2 回クリックするだけで、問題を把握して翌月の軌道を修正できます」と Mollet 氏は語っています。

レポートをより迅速かつ正確に作成できれば、各地の財務チームは、Jumia 社マーケットプレイスの数千に及ぶ加盟店に対する業務など、運用業務にエネルギーを注ぐことができます。このような業務に集中できる体制は、アフリカで新型コロナが流行した際に効果を発揮しました。国ごと (又は都市ごと) にさまざまな法律や規制が成立するなか、Jumia 社は運用業務を迅速に修正し、地域ごとに製品のラインアップを変更して、マスクや除菌剤などの必需品を提供しました。CFO の Antoine Maillet-Mezeray 氏は次のように述べています。「Anaplan なら各国の業績報告書をほぼリアルタイムに作成できるため、非常に迅速な対応が可能です」。Mezeray 氏によると、クラウドを介した Anaplan は、使いやすく柔軟性と可用性に優れているため、Jumia 社の分散型ビジネス モデルに適していました。「Anaplan のアーキテクチャは当社の業務形態に最適です」と Mezeray 氏は述べています。

財務部門での初期導入以降、Jumia 社では Anaplan の活用を、主要なコスト センターである物流部門へと拡大しました。また、現在では、人事チームのメンバーの約半数が、人件費の予算作成とフォーキャストに Anaplan を使っています。Jumia 社はアフリカに約 5,000 人の社員を抱えているため、Mollet 氏は今後、ワークフォース計画にも Anaplan が活用されることを期待しています。

Mollet 氏は次のようにまとめています。「Anaplan は Jumia 社において、信頼できる情報源になりました。確かな財務データが必要なとき、社員は Anaplan にアクセスします」