現場業務データを中心に経営管理ポータルをAnaplanで構築。SaaS連携でDXを推進

プロジェクトの進捗管理とマトリクス組織による要員管理をはじめ、現場管理業務をAnaplanで統合・管理

お客様をDX(デジタルトランスフォーメーション)で支援するコンサルティングファームであるNRIデジタルは、既存の基幹系システムを導入せず、Anaplanで現場で共有すべき業務管理データを中心に管理会計ポータルを構築。会計や人事などのコモデディ化された業務は、段階的にSaaSへ移行し連携させる「逆転の発想」で革新的な仕組みを作り上げました。プロジェクトの進捗管理とマトリクス組織による要員管理をはじめ、実行予算・契約情報・パイプライン状況などの現場管理業務を統合・管理したことで業務の効率化において絶大な効果を得ました。

生産性は実感で3倍近く上がりました。人員配置が最適化し、それぞれの成長機会を増やせるのが大きな成果です。
三浦 滋氏, NRIデジタル株式会社 統括

3倍

生産性が実感ベースで3倍近く向上

一元管理

すべてのプロジェクトに関する情報や変更内容を瞬時に共有

 

 


企業のDX推進をトータルに支援するNRIデジタル株式会社は、自らも既存の常識にとらわれないフォーメーションによって顧客の課題解決に臨んでいます。プロジェクトごとの性格や難度に応じて、その課題解決にふさわしい能力や経験を持った人材をアサインする「マトリクス組織運営」によりプロジェクトを成功に導くのが、NRIデジタルの価値の源泉とも言えます。 
 

「コンサルティングから、プラットフォーム、アプリケーションの開発・構築・保守に至るまで、トータルにDXビジネスを支援できるサービス体制づくりを目指したことで、陣容が一気に膨らみました。その結果、体制に見合った基幹システムの導入が避けられなくなりました」(NRIデジタル株式会社 統括 三浦 滋氏)
 

設立当初から社員数が10倍となり、業務管理をすべてExcelで管理することが難しくなっていました。プロジェクトの実行予算やパイプラインの管理、要員計画などがすべて現場マネージャの手元でExcelで管理されており、経営情報として吸い上げるのに情報が寸断されている課題が浮上したのです。

 

逆転の発想で現場ベースのシステムを生み出す

三浦氏が発想したのは、既存の基幹システムの作り方とは真逆のアプローチでした。
 

「通常はコーポレート側の財務や人事などの基幹システムが主役となり、現場は必要な情報を引き出してプロジェクトごとの予算策定や人員配置を決定します。しかし結局は、経営管理に必要な重要な情報は現場の手元Excelで管理されており、かつ日々動いているため、プロジェクトや人材配置の情報を横断的に管理集約する仕組みを中心に据えて、そこから会計や人事に必要な情報を外枠で管理するという現場中心の流れのほうがふわさしいと考えたのです」(三浦氏)
 

わずか2.5ヵ月というスピーディーなアジャイル開発により、同社は現場で管理する情報をAnaplanに移行。AnaplanをベースとするNRIデジタルの収支管理ポータルを2020年6月に本稼働させました。

 

学んだ知見やノウハウをソリューションとして提供したい

従来は、Excelに各プロジェクトの実行予算・パイプライン・契約情報・要員計画などを入力し、プロジェクト間の要員アサイン調整も会議に時間をかけて調整していたところを、Anaplanによる一元管理によって、すべてのプロジェクトに関する情報や変更内容が瞬時に共有できるようになりました。
 

「変更のたびに複数のExcelシートを修正し、メールのやり取りや転記作業などの手間も無くなりました。何よりプロジェクトごとの人員配置が最適化し、収益拡大とともに、それぞれの人員にふさわしいプロジェクトに割り振ることで成長機会を増やせるのが大きな成果だと思います。今後は、Anaplanで共有できる情報の領域を広げ、社員1人ひとりの育成情報やスキル情報などを整理し、競争力強化と人材育成の両面で役立てていきたいですね」(三浦氏)
 

また、API連携により既にいくつかのSaaSと連携しており、“経営管理ポータル”としてできることの幅も広げていく考えだ。

「SaaSに依存することなくコアとなる情報を柔軟に管理できるのも、Anaplanの大きなメリットだと言えるでしょう」(三浦氏)

三浦 滋氏、NRIデジタル株式会社 統括