一貫性とアジリティ、そして収益性の最大化を実現するため、大手醸造企業がプランニングプロセスを一新

財務の変革が、あるビール メーカーの迅速かつ詳細な価格設定、プロモーション、及び財務の計画・分析を可能にしました。

あるグローバル醸造企業では、ヨーロッパの1国に向けて、1つのローカル ビジネス ユニットで、世界的なビールや地ビールの製造、販売、配送を行う形態を取っています。このような複雑な事業形態のなか、変化の激しい市場でビールの供給を維持していくためには、完全に統合されたプランニング ツールが必要でした。同社では、損益システム全体をAnaplanに移行したことで、迅速なプランニング サイクルが実現し、詳細なデータに基づく意思決定が可能になりました。さらに、市場シェアを拡大して販売パフォーマンスを高める企業力も向上しました。

Anaplanのおかげで、3週間以上かかっていたプランニングをわずか1週間で完了できるようになりました。
戦略レポーティング マネージャー,

66%

の時間を短縮し、プランニングの頻度を増やしたことで、市場の状況に合わせた柔軟な調整が可能に*

最適化

顧客ごとの売上高分析で、価格戦略を最適化

最大化

ブランドや顧客などを軸に販売プロモーションを分析することで、収益を最大化


大手グローバル企業の地域ビジネス ユニットでは、国際的な運営を担う本社の予測と、担当地域市場が持つ空気感との間で、常にバランスを取っていく必要があります。 そのようなビジネス ユニットの1つでは、親会社の世界的に有名なビールと複数の地ビールをヨーロッパの1国に向けて製造・販売しており、事業主として、製造、プロモーション、及び物流で持続可能かつコスト効率の高い運営を行うことを期待されていました。

 

コスト効率は利益率にも影響します。そのため、変更を行う場合は、(売上原価から、特定のバーや飲食店、小売店への直近のプロモーション内容まで)あらゆる観点でその影響を把握しておく必要があります。しかし、スプレッドシートの複雑なデータの羅列を用いた手作業のプロセスは、財務チームが四半期ごとの計画見直しを行う上で制約となり、結果的に、さまざまな課題やビジネス機会に迅速に対応することも困難でした。

 

「プランニングの方法を変えたいと思っていました」と、同社の戦略レポーティング マネージャーは話します。「世界は急速に変わり続けています。その変化に合わせて、私たちも進化する必要があるのです」。 同社は、スケールメリットと、変化の速い市場に対応するための事業の柔軟性とを両立できる方法を求めていました。

 

全ブランドをまとめる1つのソリューション

この醸造会社の地域拠点は、アクセンチュア社の支援の下、財務計画および分析(FP&A)にAnaplanを導入しました。これにより、販売、製造量、コスト、及び物流を含め、全ブランドのデータが単一のソリューションに集約され、一貫したプロセスとレポート作成も可能になりました。データは全国レベルまたはブランド レベルで閲覧でき、さらに、SKUや顧客といったレベルにまで掘り下げることも可能になりました。

 

Anaplanの導入により、現在の業績だけでなく、販売量、価格、およびプロモーションに関するシナリオの変更も把握できるようになりました。「当社のプランニング プロセスは完全に統合されました」と、戦略レポーティング マネージャーは言います。「販売プロモーションの効果を顧客レベルでモデル化できるという利点は、社内の利用者にとって、Anaplanソリューションのなかでも特に嬉しい機能と言えるでしょう」

 

財務計画チームは、販売、販売量、価格、製造、プロモーション、サプライチェーン、キャパシティ、物流、キャッシュ フロー、収益性などを含め、運営状況を総合的に分析できるようになりました。Anaplanによって、現状を確認し、差異を分析した上で、予測を調整できるシステムが整い、その結果、最適な製造計画や合理的な流通、販売の最大化を実現しつつ、途切れることなくビールを市場に供給できるようになりました。

 

真のビジネス アジリティを確立

情報が統合されたことで、迅速性が最も求められるときに極めて迅速に対応できるようになりました。戦略レポーティング マネージャーは、「Anaplanのおかげで、3週間以上かかっていたプランニングをわずか1週間で完了できるようになりました」と説明し、「これにより、以前は四半期ごとだったプランニングを1カ月単位で実施できました」と続けました。おかげで、新型コロナウイルスの感染拡大によるロックダウンがもたらした急速な販売チャネルの変化に、迅速に対応できました。

 

ビール事業にとって、販売プロモーションは重要な推進力です。そのため、販売量計画を顧客やSKU単位で管理できるソリューションを構築し、それを社内の販売プロモーション ツールと統合しました。これにより、顧客行動の変化に合わせて、プロモーションと販売量を平行して調整できるようになりました。「Anaplanの活用によって得られた最大の成果は、顧客やSKU単位の販売量計画が可能になったことです」と、戦略レポーティング マネージャーは振り返ります。「コロナ禍で、消費者はバーや飲食店よりも自宅でビールを楽しむようになりましたが、Anaplanのおかげでこの変化にも迅速に対応できました。Anaplanがなければ、これは非常に難しい作業になっていたでしょう」

 

さらに、このソリューションによって、財務チームは、経営の長期的な見通しを明確に持てるようになりました。Anaplanによって、集約・統合された検証データが利用できるため、現在および予測的な収益性を把握した上で、さまざまな視点から将来の販売量をモデル化できました。また、割引を実施した場合の影響をブランドや販売量、顧客ごとにモデル化したり、市場機会に応じて価格戦略を策定したりすることも可能になりました。

 

運営面で見ても、会社で使用しているSAPソリューションの製品コスト データを、Anaplanの価格およびプロモーション データと組み合わせることで、最大限の収益を確保できるように製造を最適化できるようになりました。同時に、Anaplanで獲得できる豊富なデータは、役員がデータに基づく意思決定を行う際にも有用で、新たなビジネス チャンスの発見や、市場トレンドに合わせた戦略の調整にも役立ちます。

 

「Anaplanは、当社が市場シェアを獲得し、売上を伸ばしていく上で、そしてもちろんお客様によりいっそう満足してもらう上で、必要なインサイトを与えてくれています」と、戦略レポーティング マネージャーは結論付けます。

 
*66 %は、Anaplan導入前の四半期ごとから導入後の月ごとのプランニング サイクルへの移行、ならびに、Anaplan導入前の3週間から導入後の1週間へのプランニング期間の短縮に基づいて、推定される時間短縮の程度です。
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