効果的なワークフォース計画がサウス セントラル救急サービスで命を救う

ここでは、Anaplanを活用してサービスの需要を予測し、救急隊員を配置しています

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災害はいつどこで起こるか分からないもの。そのため、救急車チームも、緊急サービスも、いつでも素早く対応できる態勢を整えておく必要があります。イングランドのサウス セントラル救急サービス(SCAS)では、サービス需要の予測とワークフォース計画の作成のためにAnaplanのソリューションを導入し、必要なリソースを速やかに派遣できる仕組みを作りました。こうした効率性の向上により、正確性と迅速性も向上し、結果として不測の事態への対応力も向上しました。

Anaplanのおかげで予測の精度が上がり、とりわけ需要が急増した時のリスクを軽減できるようになりました。

デビッド・ウェッブ(David Webb), 予測部門責任者

緊急通報への対応は時間との勝負です。生きるか死ぬかという緊迫した状況では、1分1秒の遅れが命取りとなることもあります。 イングランド南部の6つの州で救急車および緊急サービス派遣を担うサウス セントラル救急サービスNHS財団トラスト(SCAS)は、助けを必要とする人々に救急隊員や機器を派遣する専門機関です。

効果的な緊急対応に求められるのは、現場への急行だけではありません。隊員が現場に到着した後も、訓練を積んだ人員がいつでも緊急通報に応答できるような体制が必要です。つまり、適切な人員やリソースが、適切な時に、適切な場所にいる状況を作ることが、最善の結果につながるのです。全リソースとサービス需要のバランスを最適化するため、SCASでは1日に受信する緊急通報の数を予測し、そのデータに基づいて詳細なワークフォース計画を立てて人員を配置する必要があります。

この仕事では、戦略的思考がますます求められるようになっています。「5年前、私たちは英国の救急車サービスで初めて計画部署を組織しました。持続可能なサービスの提供を見据えて活動することの重要性を認識していたからです」。SCASで計画および運用部門の責任者を務めるスティーブ・ウェスト(Steve West)氏はそう語ります。「そしてこの5年間を通じて、必要なリソースや人員、そして資金をどう計画するかについて、独自のモデルを構築してきました」

SCASの活動規模は非常に大きく、そのニーズが途切れることはありません。ウェスト氏は「29の拠点に3500人のスタッフを配置しています」とし、「この3500人のスタッフの人員計画を、毎週休まず行っています。緊急の現場では、心停止など一刻を争う状況にある人の元に7分以内に到着することが求められます。このような状況下では、数分の差が命に関わるのです」と続けました。

従来の計画サイクルでも、SCASはスムーズにサービスを提供できていましたが、スプレッドシートを使った手作業であたったため、余分なコストがかかり、作業も複雑でした。そこで、納税によってサービスを支える住民たちに、よりふさわしい価値を提供するため、SCASは手作業の計画プロセスを自動化しようと考えました。

需要計画を1つ上のレベルへ

この戦略的な計画プロセスの変革を可能にし、組織全体での統合と自動化を進めるためにSCASが採用したのがAnaplanのソリューションでした。「Anaplanの最大の魅力の1つは、その相互接続性です」と、SCASでビジネス情報アナリストを務めるメアリー・トラストワース(Mary Trustworth)氏は言います。「一度ハブを設定してしまえば、さまざまなモデルに非常にスムーズに情報を移動させられます」

スケーラブルかつクラウド ネイティブのAnaplanプラットフォームは、SCASの膨大なデータを処理しながらもIT運用コストを最小限に抑え、複数の拠点での活動を支えるという点で、非常に有効でした。このソリューションを活用したことで、無数のデータ ポイントを毎月処理できるだけでなく、その詳細なデータをダッシュボードに表示し、それをタブレットなどあらゆるデバイスから閲覧できるようになりました。「クラウド ベースのソリューションがあることは非常に便利です。なぜなら、どこにてもログインするだけで人員配置の状況を実際に見て確認できるからです」とトラストワース氏は言います。

SCASが構築したソリューションでは、PlanIQも活用されています。PlanIQは、Anaplanが提供するインテリジェントなフレームワークであり、Amazon™ ForecastのMLエンジンを組み込むことで先見的な予測と、継続的かつアジャイルなシナリオ モデリングを実現します。PlanIQの連続的な予測機能によって、SCASでは予測の正確性をさらに高める新たな予測モデルの構築が可能になりました。「Plan IQにより、Anaplanプラットフォームに数々のメリットがもたらされました」と、SCASの予測部門責任者であるデビッド・ウェッブ氏は指摘しています。「中でも、プラットフォームとシームレスに統合できることで、さまざまなレベルの情報やデータの利用が可能になり、データの質全体が向上しただけでなく、予測精度の向上も後押しされました」

Anaplanを導入したことで、SCASでは15分刻みでワークフォース計画を分析できるようになりました。これにより、需要の急激な増加にも素早く対応できるほか、現場到着までの目標時間の達成や、より効果的なケアの提供も実現できるようになりました。ウェッブ氏は「Anaplanのおかげで予測の精度が上がり、とりわけ需要が急増した時のリスクを軽減できるようになりました」と述べ、「助けを求める人々に最善の対応と結果を提供するための適切なリソースを確保しやすくなりました」と続けました。

さらに、ウェッブ氏はこう続けます。「私はAnaplanのプラットフォームをお勧めします。このソリューションは、多数のデータ ポイントと情報を一箇所に統合してくれました。以前は情報を活用するにも何週間、時には何か月と時間がかかっていましたが、今ではほとんど思いのままに情報を確認できるのです」

最後に、新型コロナウイルスの世界的な感染拡大という前例のない状況下においても、その困難に対応するSCASを支える上でAnaplanが非常に大きな役割を果たしていることをお伝えしておきます。「サウス セントラル救急サービスのパンデミックへの対応は誇れるものであったと自負しています」とウェッブ氏は言います。「その対応において中心的な役割を果たしたのが、私たちのチームとAnaplanだったと感じています」